パワースライドドア引っ掛かり症状
電動スライドドア、とても便利な機能です。ただ、故障するとこれがまた厄介な物でもあります。モーター、ワイヤー、レールなど様々な部品の組合せで構成されていますので、故障個所の特定や原因など様々であり、またその構造上、修理の手間もそれなりに掛かります。
今回は、トヨタのアイシスの電動スライドドアが引っ掛かるという症状です。
具体的には、ドアノブを手で外側や内側から開閉する場合は問題なく電動開閉動作します。
（多少、手で送ってやるくらいの力加減は必要です。）
問題なのは、キーレスのリモコンや室内運転席付近のパワースライドドア開閉ボタンでの開閉が出来ません。
通常、リモコンやボタンで開閉する際に長押しして「ピー」と言う音と共に動作しますが、「ピー」と音がした後、「ガッ」と引っ掛かった感じになってしまいます。
何かが引っ掛かっている？ロックが外れてない？
そんな第一印象を受けました。
早速点検して、修理したいと思います。
原因の特定
まずは目視できる範囲でレールやワイヤーなど破損していないか？異物が無いかなど点検しました。特に異常は無さそうですが念の為、レールや滑車などの部分にグリスアップして動きをスムーズにしてみましたが、問題は解消されません。
ドアの立て付けも確認してみますが、問題ありません。開閉時に何処かでぶつかっている様子も見当たりません。
そうなると先に疑問に感じていたロックが外れない？という点に注目して原因を探してみました所、問題点を一か所見つけました。
スライドドアを下から覗いた画像です。
丸枠のワイヤーがロックを外す機能の様ですがリモコンやボタンで遠隔操作時に動いてません。
このワイヤーが正常動作なら上記の様にロックが外れるはずです。
ドアノブでの開閉時には強制的にこのワイヤーが動作しますが（ドアノブとワイヤーが連動している為）リモコンやボタンの場合にはこのワイヤーをモーターにて動作させます。
すなわちこれはドアロックリリースモーターの故障と判断してほぼ間違いないでしょう。
分解修理
原因が特定できれば後はその部品の取外し、交換や修理になります。
まずは内貼りを剥がします。
※バッテリーのマイナス端子を外しておきます。電気が来ている状態での作業は不意の開閉などにより大変危険です。また、ドアを途中で止める事が出来ませんので作業ができません。
内貼りを外し、丸枠部分がドアロックリリースモーターASSYになります。
ドアロックリリースモーターは銀色の台座の様なものに固定されていました。まずはこの台座を固定しているボルトを取外し、裏側から確認してみると裏側にネジで固定されていました。
裏側のネジを取り外してドアロックリリースモーターを取外します。作業スペースが狭いのでラチェットの＋ドライバーを使用しました。
モーター取外し、交換
取り外したドアロックリリースモーターASSYになります。
この部品を交換すれば良いのですが、新品はウン万円します。
実際に故障しているのはこの部品の中のモーターです。なので今回はリーズナブルに修理する為に、分解して中のモーターだけの交換修理をしたいと思います。
裏側から数本のネジで止まってますので、ネジを取り外します。
内部にアプローチできました。
念の為、ギアの破損などないか確認しておきます。
取り外したモーターです。先端のネジは再利用します。
新品のモーターです。
インターネットで購入しました。
1000円です。
先端のネジを付け替えて組直します。先端のネジは簡単に指で摘まんで取り外せました。
新品のモーターを組み付けたら、ドアロックリリースモーターを取り付けます。
ドアの内貼りはまだ取り付けずにこの状態で動作確認します。
モーターが復活して正常動作する場合は丸枠の部分がリモコンなど遠隔操作の時に開閉に伴って左右に動きます。
バッチリ直りました。
後は、ボルトの締め忘れが無いか？その他の動作は正常か？など今一度確認して、内貼りを付けて完了です。
修理完了
完璧に直りました。スライドドアの故障と言う事で当初は高額な修理代が頭によぎりましたが、原因を探っていくとドアロックリリースモーターだけの故障でしたので、モーターのみの交換で直りました。モーターはネットで安く購入出来たので、とてもリーズナブルに修理する事が出来ました。
今回は、ドアロックリリースモーターの交換で直りましたが、スライドドアの故障は色々な原因が考えられますので、場合によっては高額な修理代になるでしょう。基本的には、モーターやワイヤー、レール、建付けなどの原因ですが、その原因を追究するのが難儀な場合もあります。
ドアロックリリースモーターの故障はトヨタ車でよく見受けます。アルファード、エスティマ、アイシス、ポルテなどの車種です。
同様の症状でお困りの方、参考になれば幸いです。