アイドリング不調
年数や走行距離の経った車でアイドリング不調の症状をよく見かけます。
・アイドリングが安定しない。
・以前よりアイドリングが低くなって振動が気になる。
・停車時にエンストしそうになる。
・エンジンの吹き上がりやパワーが悪くなった。
などの症状がある場合は様々な原因が考えられます。
エンジンが動くには、おおまかに3つの要素が必要です。
・燃料
・空気
・点火
燃料(ガソリンなど)と空気をエンジン内で圧縮して点火(プラグ)してエンジンは動きます。
エンジンの調子が悪い、アイドリングが不調などの場合は、まず上記の燃料系、空気系、点火系を疑うのが定石です。
燃料系なら、燃料はちゃんと来ているのか?
ガソリンタンクからエンジンに燃料が来るまで燃料ポンプ、燃料フィルター、インジェクターなどがあります。
燃料ポンプが故障して燃料を送れていない?
燃料フィルターが詰まってないか?
インジェクターの詰まり、故障で燃料が正常に噴射できていないのか?
点火系なら、プラグやプラグコード、イグニッションコイルを疑います。
劣化、故障、汚れなど。
空気系なら、エアフィルターの汚れ・詰まり、スロットルボディの汚れ、エアフロセンサーの汚れ、故障などです。
他にもコンピュターの原因やエンジン内部の原因など、様々な要因が考えられますがエンジンから気になる異音などが無い場合は、まず上記の3つの・燃料・空気・点火を疑うのが一般的かと思います。
今回はスロットルボディのバルブ周辺の汚れの清掃をご紹介させて頂きます。
スロットルバルブ清掃
スロットルバルブを清掃するにはスロットルボディに取り付けられている、エアクリーナーからのパイプを取り外す必要があります。
車種によってはエアクリーナーのボックスを取り外した方が作業がしやすい場合もありますので、車に応じて臨機応変に対応します。
パイプを取り外して内部を確認すると、丸いバタフライ式の弁が見えます。
この周辺に汚れが蓄積しております。これらを洗浄する事で空気の流れが良くなり、アイドリング不調が改善される事があります。
取り付け位置によって内部が見にくい車種もありますが、手鏡など使用すれば内部を確認しやすいです。
また、エアクリーナーも確認、清掃しておくのが良いです。ホコリや小さな虫などが隙間に結構溜まってます。
あまりに酷い汚れ・劣化などがありましたら交換をお勧めします。エアクリーナー自体は取り外しは容易ですので、どうせなら一緒に作業するのがベストです。
スロットルバルブ周辺にエンジンコンディショナーを吹き付けてしばらく待ちます。
私は泡タイプの物をよく使用してます。なんとなく泡が黒くなっていくのが、目に見えるので清掃している感があります。
特にお好みの物を使用すれば良いかと思いますが、一点だけ注意があります。
バルブの周辺に黒っぽいものが付着している場合があります。これはモリブデンコーティングでスロットルバルブの密着性を高める為に最初からコーティングされている場合があります。
このコーティングを知らずに汚れかと思って、ゴシゴシ落とさない様にします。落としてしまうとアイドリングが異常に高くなったり、他にも不具合が出たりしますので、事前に確認しておくと良いです。
本来ならスロットルボディを取り外して洗浄するのがベストかと思いますが、スロットルボディに冷却水やセンサーなど付いているので、一般の方が取り外すには十分な知識と技術が必要となります。
上記の写真のように取り外さずに洗浄する事も十分に可能です。この方法でもバルブ周辺の汚れを十分に落とす事は可能です。
洗浄剤を吹き付けてしばらくしてから、ウエスで拭き取ります。私は拭き取るまでの時間は洗浄剤に書いてある時間より早めに拭き取ります。
あまり放置しすぎてモリブデンコーティングまで落としたくないからです。
バルブ周辺や裏側などはよく汚れてますので、バルブを開閉しながら汚れを拭き取ります。
ウエスできれいに拭き取って、スロットルバルブ周辺の汚れを奇麗にしました。
アイドリング改善
私の経験では、この洗浄でアイドリングの不調が改善した経験が何度かあります。
完全に改善されたケースもあれば、少しはマシになったケース、まったく改善しなかったケースなど色々ありました。
アイドリングの不調は一つの原因だけでなく様々な要素が複合している場合もあります。
スロットルボディ・エアクリーナー・エアフロセンサー・プラグの汚れや劣化などは、まず最初に疑いたい箇所の一つですね。
まとめ
普段は見る事のないスロットルバルブですが、年数や走行距離に応じて汚れが蓄積しています。
作業自体はさほど難しい事ではありませんが、一般の方で初めて挑戦する場合などはご自分の車種のスロットルバルブの位置やその他の知識など十分に下調べや準備してから行う事が良いです。少しでも不安や自信がない場合は専門の方に任せるのが良いかと思います。
当記事はスロットルバルブを洗浄してアイドリングの不調が直る事を保証する情報ではありません。
上記で述べたとおりアイドリング不調は様々な原因が考えられます。